目次
第1問 動物のコミュニケーション
第2問 ツール・ド・トランプ
第3問 人のタイプは2つだけ
第4問 ドジのチャンピオン
第5問 虹
第6問 アインシュタイン博士の言葉
第7問 食べるダイエット
第8問 会話のキャッチボール
第1問 動物のコミュニケーション
Animals communicate with each other not only with sounds and movements, but with smell. (1)Most animals that live in herds depend on smell to keep together. And, of course, we know how dogs recognize each other by smell.
Apes are supposed to be among the most intelligent of animals, ( 2 ) they really have no better "language" than other animals. They make many sounds and expressions of the face to communicate their feelings of anger or hunger or joy, but they have nothing like the words of human speech.
By the way, unlike human beings who have to learn how to talk, apes and other animals know their "language" by instinct. They will make the right kind of cries and sounds and expressions even if they have never seen another animal like themselves before.
Birds, however, learn their way of singing, at least in part. That's why a sparrow brought up among canaries will try to sing like (3)one. It has been learning the ( 4 ) "language"!
問1 下線部(1)を和訳せよ。
問2 空所(2)に入れるべき語を一つ選べ。
and,but,so,because
問3 下線部(3)を2語で書きかえよ。
問4 空所(4)に入れるべき語を一つ選べ。
right,wrong,wonderful, unknown
[語句と構文]
□communicate with 〜 〜と意思を伝えあう
□not only 〜 but (also) … 〜ばかりでなく…も
□sound 音声、音
□movement 動作、身振り
□live in herds 群をなして暮す
□depend on 〜 〜に頼る
□keep together いっしょにいる、離れない
□recognize 見分ける,認める,認識する
□ape サル
□be supposed to be 〜 〜であると思われている
□be among +(最上級) 〜のうちの1つである
□intelligent 知能の高い
□no better 〜 than … …とまったく変わらない
□make many sounds 多くの音声を発っする
□make many expressions of the face 顔の表情をいろいろ変える
□feelings 感情
□anger 怒り(形容詞angryの名詞形)
□hunger 空腹、飢え(形容詞hungryの名詞形)
□human speech 人間の話し言葉
□by the way ところで(話題の転換に用いる)
□unlike 〜とは異なり
□human beings 人間
□by instinct 本能により
□the right kind of 〜 適切な種類の〜
□even if 〜 たとえ〜でも
□however しかしながら(副詞だが接続詞的な働きを持ち、前に述べたことを受けて、これから述べることにつなぐ)
□one's way of 〜ing 〜するしかた
□at least 少なくとも
□in part 部分的に
□That's why 〜 そういうことで〜である
□sparrow スズメ
□bring up 育てる
□canary カナリア
[本文の主旨]
動物はにおいをもコミュニケーションの手段にする。サルは感情を伝えあうために多くの音声や表情を用いるが、人間の言葉のような言葉は持っていない。動物たちは「言葉」を本能的に知っている。 鳥はさえずり方を学習する。
[全文訳]
動物たちは互いに、音声や身振りばかりでなく、においによっても意思を伝えあう。群れをなして暮しているたいていの動物たちは、集団としてのまとまりを保つためににおいに頼っている。そして、犬がどのようにしてにおいによって相手を認めあうのか、私たちにはもちろんわかっている。
サルは動物たちの中で最も知能が高いとされているが、実際のところは、ほかの動物たちと同じ程度の「言葉」しか持っていない。サルは怒りや空腹や喜びの感情を伝えあうために、多くの音声を発し、顔の表情をさまざまに変えるが、人間が話し言葉において使う単語のようなものは持ち合わせていない。
ところで、人間は話すことを学ばなければならないが、そういう人間とは異なり、サルやほかの動物たちは自分たちの「言葉」を本能的に知っている。彼らは、以前にたとえ見たことがなくとも仲間の者に対しては適切な叫び声や音声を出し、適切な表情をこしらえる。
しかしながら、鳥はさえずり方を学ぶ。(全部ではないにしても)少くとも部分的にはそうだ。カナリアたちに混じって育てられたスズメがカナリアのようなさえずり方をしようとするのは、そのためである。そのスズメは、今まで間違った「言葉」を学んできたというわけになる!
[解答と解説]
解答
問1 群をなして暮しているたいていの動物たちは、集団としてのまとまりを保つためににおいを頼りにしている(においに頼っている)。
問2 but
問3 a canary
問4 wrong
解説
この文章は、動物のコミュニケーションのしかた、あるいは、動物の「言葉」をテーマにした文章。本文中に引用符のついた"language"が3回出てきているが、これは人間の言葉とは異なるので、ふつうにlanguageと呼ぶことはできないが、それでもコミュニケーションに使われるものとしては似ているので、その似ているものであることのしるしとして引用符でくくったもの。この引用符は、ほんものとはちょっと違いますよという意味のしるしだ。
問1 関係代名詞のthat、depend on 〜、to不定詞がポイント。文の主部は、most animals that live in herds。thatは主格の関係代名詞。herdは「群れ」という意味。inは「あるものが取る形」を表すもの。たとえばin a circle(円を描いて)や、in a line(列になって)などのinと同じ。なぜ複数形になっているのかは「いくつかの群れ」という意味を含むから。この「いくつかの」は必ず訳出しなければならないものではない。
depend on 〜は「〜に頼る」。to keep togetherのto keepは「目的」の意味を表す副詞的用法の不定詞。keep togetherは「まとまっている」という意味。「togetherでいる状態を保つ」が原義。文型的にはkeep being togetherのbeingの省略と考えられる。keep 〜ing「〜したままでいる」。being togetherはbe together(いっしょにいる)の分詞形と考えられる。
問2 動物の中でも最も人間に近いと思われているサルについての段落。この段落は2文でできているが、後のほうの文が前の文の内容とほぼ同じようなことを言っていることに注意しよう。後の文は前の文の言いかえにすぎないが、このように少し言いかえて並べると、意味に奥行きが生れる。解答は後の文のコンマの後にあるbutが、そのまま入る。
問3 この問題は何よりもまず、このパラグラフの意味がつかめていないと解けない。少くともa sparrow brought up among canaries will try to sing like...の意味がわからなくてはならない。brought up among canariesは過去分詞の形容詞的用法で、which was brought up among canariesと言いかえることができる。willは「習性」を表す。「だろう」という意味ではなく、「〜するものだ」という意味である。この部分はまわりがカナリアであると、スズメでもカナリアのように鳴こうとするということを言っている。like 〜「〜のように」。
問4 前段落のrightの意味がわかれば解ける。the right kind of cries and sounds and expressionsのrightである。 rightは「正しい、適切な」という意味だが、この文章の場合の「正しさ、適切さ」とは、第3段落の内容からして、another animal like themselves(自分の仲間)に会ったことがなくても自分自身の叫びごえや表情ができるという正しさ、適切さであることをつかむ。カナリアの中で育てられたスズメには、この正しさがわからない。そのスズメは、rightでない、rightの反対であるwrongの、languageを学んできたと言ってもよい。
コラム 動物のコミュニケーション
このテーマのものとしては、ハチの尻振りダンスの話も有名。ハチはこのダンスにより、仲間に食べ物のありかを伝える。
コラム 起承転結
起承転結(きしょうてんけつ)とは、漢詩と呼ばれる、昔の中国詩がとったパターンのこと。起は「言い起こす」、承は「受ける」、転は「展開する」、結は「結ぶ」を意味する。このパターンは中国詩に限らず、一般的な文章のパターンとしてもかなり認められる。というのも、このパターンに従うと文章に落ち着きが出るからである。今回の本文もこのパターンに近い。「動物はにおいでコミュニケーションする」→「サルは賢いと思われているがそうでもない」→「ところで動物の言葉は本能に基づく」→「でも鳥は学習する」。きれいな起承転結ではないが、かなり起承転結に近い.
第2問 ツール・ド・トランプ
Cycling is becoming a popular sport in America, especially since an American, Greg LeMond, recently won the Tour de France bicycle race in Europe. An American businessman, Donald Trump, has tried to (ア)copy the French by starting his own bicycle race, the Tour de Trump.
About 20 colleges in America have intercollegiate cycling matches. More than 50 colleges hold their own programs. At Indiana University a 50-mile bicycle race called the "Little 500" is held every year. More than 25,000 people come to watch it. Another college contest is the 77-mile Yale-Vassar relay race from New Haven, Connecticut to Poughkeepsie, New York.
(イ)Mountain bike racing has also caught on in the past few years. At the Kamikaze cycling competition, in Mammoth, California, cyclists ride over a rough course which starts at an altitude of 10,420 feet and finishes at an altitude of 8,950 feet. In 1990, from September 11th to 16th, the first World Mountain Bike Championships were held in Durango, Colorado. The Colorado course runs over rocky trails and has a 1,500-foot vertical drop.
Cycling is safe, fun and doesn't pollute the air—(ウ)three good reasons why it will endure as a sport.
(注) the Tour de France bicycle race:ツール・ド・フランス自転車レース
問1 下線部(ア)の意味に最も近いものをA〜Dの中から1つ選びなさい。
A. compete B. defeat C. imitate D. steal
問2 下線部(イ)をほぼ同じ意味になるように書きかえるとき,空所を満たすのに最も適当な英語(1語)を本文中から抜き出しなさい。
Mountain bike racing, too, has become ( ) in the last couple of years.
問3 下線部(ウ)の前に語句を補って入れるとすれば,最も適当なもの(2語)は何か。
問4 次の問いに対する答えとして最も適当なものをA〜Dの中から1つ選びなさい。
How do Americans find cycling these days?
A. They find it fascinating but full of risk. B. They find it pleasant but harmful to the health. C. They find it strange and funny. D. They find it attractive and enjoyable.
問5 次の1〜5には本文の内容に合っているものが2つある。その番号の組み合わせをA〜Hの中から1つ選びなさい。
1. The Tour de Trump bicycle race is run all around France.
2. It is said that an average of 25,000 spectators turn out to watch famous races held all over America.
3. The Yale-Vassar race, participated by teams of college students, is a 77-mile contest between New Haven and Poughkeepsie.
4. The course for the Kamikaze cycling competition, which is 1,470 miles long, is tough and dangerous.
5. The Colorado course, where the first Mountain Bike Championships took place, is a rocky one and has a difference of 1,500 feet in altitude.
A. 1-2 B.1-3 C.1-4 D.2-4 E. 2-5 F.3-4 G.3-5 H.4-5w
[語句と構文]
□be becoming 〜 (だんだん)〜になってきている(=be getting 〜)
□especially 〜 特に〜(ここではsince 〜節全体にかかっている)
□since 〜 〜以来(主節は現在完了形になるのがふつうだが、is becomingが現在完了と同等)
□Greg LeMond グレッグ・レモン(1961- )
□Tour de France ツール・ド・フランス(フランスでの自転車レース)
□copy 写す、まねする
□the French =the French bicycle race。
□by 〜ing 〜することにより
□the Tour de Trump the Tour de Franceをもじったもの。
□intercollegiate 大学間の」←inter(〜の間)+ collegiate(collegeの形容詞形)。日本では「インカレ(と言っている)
□more than 〜 〜以上
□program プログラム
□Indiana University インディアナ大学
□A called B Bと呼ばれるA(calledは形容詞的用法の過去分詞)
□Yale-Vassar エール・バッサー大学対抗の
□relay リレー
□catch on 受け入れられる
□the past 〜 years 「ここ〜年(=the last 〜years )
□Kamikaze カミカゼ、神風特攻隊のような
□competition 競争、競技(会 )
□Mammoth, California カリフォルニア州マンモス
□cyclist 自転車に乗る人
□over 〜 〜に沿って(端から端まで)
□rough 起伏の多い
□start at 〜 〜からスタートする
□an altitude of 〜 〜の高度(の地点)
□Durango, Colorado コロラド州デゥランゴ
□over 〜 〜を越えて
□rocky 岩の多い(← rockの形容詞形)
□trail 跡、(人・動物などが通ってできた)道
□vertical 垂直の、縦の
□pollute 汚染する
□reason why 〜 〜である理由( whyは関係副詞)
□endure 持ちこたえる、続く
□as 〜 〜として
[本文の主旨]
自転車レースはスポーツとしてアメリカで人気が出てきている。 アメリカでは大学対抗の自転車競走大会もさかんである。山中を走るマウンテンバイクの競走も最近人気が出てきた。サイクリングがさかんになるのはもっともである。
[全文訳]
サイクリングはアメリカで人気のあるスポーツになってきているが、アメリカ人のグレッグ・レモンが最近ヨーロッパでのツール・ド・フランスの自転車レースに優勝してからは特にそうなってきている。アメリカ人ビジネスマンのドナルド・トランプは、自ら企画した自転車レース、ツール・ド・トランプを始めて、フランスのものを真似しようとしている。
大学間自転車競走大会を持っているアメリカの大学は、約20ある。50を超える数の大学が、独自の大会プログラムを持っている。インディアナ大学では「リトル500」と呼ばれる50マイルの自転車競走が毎年開かれる。それを見に来る人は2万5千人以上になる。大学対抗戦としては他に、コネチカット州ニューヘイブンからニューヨーク州ポキプシーまでのエール・バッサー大学対抗の77マイルリレー競走がある。
山間を走る自転車競走も、ここ数年において受け入れられた。カリフォルニア州マンモスでのマウンテンバイクによるカミカゼ・ダウンヒルにおいては、競走者は高度1万420フィートのスタート地点から高度8千950フィートのゴールまでの起伏の多いコースを自転車で行く。コロラド州デゥランゴでは、1990年の9月11日から16日まで、第1回世界マウンテンバイク選手権大会が開かれた。そのコロラドのコースは岩だらけの山道で、千5百フィートの高さを下るのである。
サイクリングは安全で楽しく、空気を汚染しない。スポーツ種目として続くと考えられる、もっともな理由3つを持っている。
[解答と解説]
解答
問1 C
問2 popular
問3 these are
問4 D
問5 G
解説
問1 Tour de Franceはよくテレビでも取り上げる有名なレース。そのレースを(現大統領の)このアメリカ人はthe Tour de Trumpのように自らの名前をつけて取り入れようとした。そこからcopyの意味(「真似る」)を推測することができる。選択肢の動詞の意味はA. compete「競争する」、 B. defeat「打ち破る」、C. imitate「真似る」、D. steal「盗む」であるから、最もふさわしいのはC。
問2 問われている文は第2パラグラフの第1文の言い換え。それが第1パラグラフのトップの文と対応していることに注意すると、alsoが何に対して「もまた」なのかつかめよう。第1パラグラフ第1文で「サイクリングは人気のあるスポーツになりつつある」とあり、それに対して、Mountain bike racingもまた、と言われている。このことがわかれば、たとえcatch onの意味がわからなくても、問題を解くことができる。
問3 three good reasonsとあるので、その3つがどこに書かれてあるのか探す。ふつう直前に書かれてあることか多いので、直前を見てみる。すると、safe、fun、doesn't pollute airと、ちょうど3つある。これらをthree good reasonsと呼んでいる。英語でこのことを表せば、safe, fun, doesn't pollute air. These are three good reasons...となろう。このダッシュ(—)は同格関係を表すもの。同格関係とは「イコール」のことと考えてよい。
問4 問いは「近頃アメリカ人はサイクリングのことをどう思っていますか」の意。問3で問われた文の前半の内容を聞いている。Cycling is safe, fun...は筆者の意見であるとともに、アメリカ人一般の意見でもある。だからサイクリングに人気がある。選択肢の文の意味は次ぎのとおり:
A.「魅力的だが危険に満ちていると思っている」。
B.「楽しいけれども健康に害があると思っている」。
C.「奇妙でおかしなものと思っている」。
D.「魅力的で楽しいと思っている」。
問5 まず、本文のどこに書かれてあるのか、または、ないのか探す。書かれていても内容があっていないものはだめ。
1. 「ツール・ド・トランプの自転車レースはフランス中で行われる」。the Tour de Trumpは第1パラグラフに登場。「フランス中で行われる」とは言われていないので×。all around 〜「〜のあちこちいたるところで」。
2. 「アメリカ中で開かれるいくつかの有名なレースを見るために平均して2万5千人の観客が集まると言われている」。2万5千という数は第2パラグラフに出てきたが、これはLittle 500のことだから×。It is said that 〜「〜と言われている」。turn out to 〜「〜しに出かける、集まる」。an average of 〜「平均〜」。
3. 「大学生のチームが参加するエール・バッサー大学対抗の競走は、ニューヘイブンとポキプシーとの間の77マイルの競走である」。これは第2パラグラフ最後の内容と合っている。
4. 「1470マイルの距離のカミカゼ自転車競走のコースは、困難で危険である」。カミカゼは第3パラグラフに登場。内容はいかにも正しそうだが、本文に出てくる数字はaltitude(高度)だから、10,420-8,950=1,470の計算の答えは高度差で、コースの長さではない。なお、正しい高度差は1,470フィートで、これは約450m。
5. 「第1回世界マウンテンバイク選手権大会が開かれたコロラドのコースは、岩道で、千5百フィートの高度差がある」。第3パラグラフの内容に合っている。なお、この高度差はカミカゼと同程度。
コラム 複合名詞
名詞が形容詞的に使われることがある。たとえば、school boyのように。こうしてできた名詞を複合名詞と呼ぶ。今回は、50-mile bicycle race, cycling match, college contest, mountain bike racingなどが出てきた。
コラム ツール・ド・トランプ
ツール・ド・トランプはツール・ド・フランスと同じくらい、あるいはそれ以上を目指したが、1989、1990の2年間開催されただけで資金難からか主催者が入れ替わり、その後消滅したようだ。
第3問 人のタイプは2つだけ
There are only two types of people in the world, Type A and Type Z. It isn't hard to tell which type you are. How long before the plane leaves do you arrive at the airport?
(1)Early plane catchers, Type A, pack their bags at least a day in advance, and they pack neatly. If they're *booked on a flight that leaves at four in the afternoon, they get up at five-thirty that morning. If they haven't left the house by noon, they're worried about missing the plane. Late plane catchers, Type Z, pack hastily at the last minute and arrive at the airport too late to buy a newspaper.
What do you do with a new book? Type A reads more carefully and finishes every book, even though it isn't any good. Type Z *skims through a lot of books and is more apt to write in the *margins with a pencil.
Type A eats a good breakfast; Type Z *grabs a cup of coffee.
Type A's turn off the lights when leaving a room and lock the doors when leaving a house. They go back to make sure they've locked it, and they worry later about whether they left the iron on or not. (2)They didn't. Type Z's leave the lights burning and, if they lock the door at all when they leave the house, they're apt to have forgotten their keys.
Type A sees the dentist twice a year, has an annual physical *checkup and thinks he may have something. (3)Type Z has been meaning to see a doctor.
Type A squeezes a tube of *toothpaste from the bottom and rolls it very carefully as he uses it, puts the top back on every time. Type Z squeezes the tube from the middle, and he's lost the cap under the *radiator.
Type Z's are more apt to have some Type A characteristics than Type A's are apt to have any Type Z characteristics.
Type A's always marry Type Z's. Type Z's always marry Type A's.
Notes: book:(予約の)帳簿に記入する,(座席・部屋などを)予約する
skim: to read quickly to get the main ideas
margin:(ページの)余白,欄外 grab: ひっつかむ,すばやく手に入れる
checkup: a general medical examination toothpaste: 練り歯みがき
radiator: 幅射暖房器
(A) 問1 下線部(1)の"Early plane catchers"とはどういう人のことか,わかりやすく説明せよ。(日本語で)
問2 下線部(2)の"They didn't"の後に省略されている語句を記せ。(英語で)
問3 下線部(3)の"Type Z has been meaning to see a doctor."とはどういうことか,わかりやすく説明せよ。(日本語で)
(B) Type A の人とType Z の人は,それぞれどのような性格の人と言えるか,日本語で簡潔に記せ。
[語句と構文]
□it is hard to 〜 〜するのは難しい
□tell 見分ける、区別する(この意味のとき、tell+<疑問詞節>の形になる)
□how long before 〜 「〜のどのくらい前に(たとえば2 minutes before 〜の2 minutesの部分を疑問詞how longにしたもの)
□catcher (何かを)つかまえる人
□pack 詰める
□at least 〜 少なくとも〜
□a day in advance 1日前に」。in advanceが「前もって(具体的な時間はこの前に示す)
□neatly きちんと
□book (人) on (乗り物など) (人)が(乗り物など)に乘るように予約の手はずをとる
□be worried about 〜ing 「〜することについて気をもむ(worry about 〜ingよりも悩み苦しむ度合いが強い)
□miss (乗り物) (乗り物)に乘り遅れる
□hastily 急いで、あわてて(形容詞hastyの副詞形)
□at the last minute どたん場になって
□too late to 〜 〜できないほど遅く(late+< too … to 〜>と考える。[語句と構文])
□with 〜 〜に関して
□even though 〜 たとえ〜でも(=even if 〜)
□skim とばし[拾い]読みをする
□be apt to 〜 〜する傾向がある
□write in 〜 〜に書き込みをする
□margin 余白
□a good breakfast 十分な量の朝食
□grab ひったくる、ひっつかむ
□Type A's タイプAの者たち(この"'s"は複数形のしるし)
□turn off the lights 電灯を消す
□when leaving = when they are leaving。
□make sure (that) 〜 〜であることを確認する
□worry about whether 〜 〜かどうか気にかける
□whether 〜 or not 〜かどうか
□leave the iron on アイロンのスイッチを入れたままにして放っておく
□leave the lights burning 電灯をこうこうとつけたままにしておく
□They didn*t = They didn*t leave the iron on。
□if 〜 at all 仮に〜だとしても
□see the dentist 歯医者に診てもらう
□twice a year 1年に2度
□annual 毎年の
□physical checkup 健康診断
□mean to 〜 〜するつもりである」。現在完了進行形で「継続(の意味)
□squeeze しぼる
□tube チューブ
□toothpaste 歯磨き
□roll 巻く
□as 〜 〜であるときに
□put 〜 back on … 〜をもとの…にかぶせる
□the top = the cap。
□he*s lost = he has lost。
□radiator 暖房機
□characteristics 特徴
□A be more apt to 〜 thanBare apt to 〜 Aは〜し、Bは…する傾向があるが、その度合いは前者のほうが強い
□marry 〜 〜と結婚する
[本文の主旨]
人間のタイプはAとZの2つだけだ。タイプAは手回しがよく、きちんとしている。タイプZはタイプZの反対だ。タイプAは本を1冊1冊ていねいに読み通す。タイプZは拾い読み。朝食のとりかたも異なる。タイプAはきちんとしている。タイプZは電気はつけっぱなしで、鍵は忘れる。Aはしっかり健康管理する。Zは健康にむとんちゃく。タイプAは歯磨きのチューブをきちんと扱う。Zは無造作に扱う。Aの人にはZの特徴は少ない。結婚は互いに反対のタイプ。
[全文訳]
世界には2つのタイプの人間しかいません。タイプAとタイプZです。自分がどのタイプなのか見分けるのは難しくありません。あなたは飛行機が飛びたつどのくらい前に空港に到着しますか。
タイプAの早めに飛行機をつかまえようとする人たちは、少なくとも1日前には荷作りし、しかもきちんとします。午後4時出発の便に予約してあれば、その朝は5時30分に起きます。正午までに家を出られなかったら、飛行機に乘り遅れるのじゃないかと気をもみます。タイプZの遅めに空港に出かける人たちは、どたん場になってあわてて荷作りし、新聞を買う余裕もないほどになってから空港に到着します。
初めての本については、あなたはどうでしょうか。タイプAなら、ふつうの人よりも注意深く読んで、たとえ全然おもしろくなくても、全部の本を読み通します。タイプZならば、たくさんの本を拾い読みし、余白にえんぴつでよく書き込みをします。
タイプAは朝食をたっぷり食べますが、タイプZはコーヒーを1杯ひっかけるだけです。
タイプAの人たちは部屋から去るときには電気を消し、家を出るときにはドア全部に鍵をかけます。この人たちは家に鍵をかけたことを確認しに戻ったり、あとになってアイロンをつけっぱなしにしてきたのではと気をもみます。実際はそうでないのに。タイプZの人たちは部屋の電気をつけたままにし、家を出るときにたとえドアに鍵をかけたにしても、鍵を忘れたりしがちです。
タイプAは1年に2度歯医者にかかります。健康診断は毎年受け、どこか悪いのではと考えます。タイプZはこれまでにずっと医者に診てもらおうとは思っています。
歯磨きを使うときに、チューブを下のほうからしぼり、たいへんていねいに巻きあげ、いつもキャップをし忘れないのはタイプAです。チューブをまんなかからしぼり、暖房機の下になくしてしまうのはタイプZです。
タイプZの人にもタイプAの特徴があり、タイプAの人にもタイプZの特徴がありますが、その度合いは前者の場合のほうが大きくなります。
タイプAは常にタイプZと結婚します。タイプZは常にタイプAと結婚します。
解答と解説
解答
(A) 問1 早めに飛行場に行き、早めに飛行機に乘ろうとする人。問2 leave the iron on問3 タイプZの人は医者に診てもらおうという気持ちはありながら、ずっと行かないできているということ。
(B) タイプAの人はきちょうめんで、落ち着いていて、心配症だが、タイプZの人はずぼらで、そそっかしくて、のんきである。
解説
この文章の内容はもちろん極論で、極論にすることによって、いわゆるウケをねらっているのである。しかし、どことなく当っているように思える。人生の真実を突いていないこともない。
(A) 問1 early plane catchersの意味を答える。
たとえば本文中のsuch a manなどに下線が引っぱってあって、このsuch a manとはどういう人のことかというような問題ならば、「そのような人」のように意味を答えてはもちろんいけないが、この問いの場合は、意味を答えなければならない。「どういう人のことか」とは、この場合、意味を聞いている。
それは、early plane catchersという名詞句の用法をもとにしてそのように言える。この名詞句は、①主語である、②複数形である、③the などの限定する語がついていない、という3つの特徴を持っている。こういった特徴を持つ名詞や名詞句のことを「総称の主語」と呼ぶ(複数形でなくa 〜となることもある)。「総称の」とはgeneral(一般的)という意味。一般的な意味の名詞は、such a manなどとは違って、本文中のだれかを指したりしない。だから、問われているのは語句の意味だと言える。
総称の主語の最も簡単な例は、Dogs are [A dog is] faithful.(犬は忠実だ)というような文。この文は「AはBだ」という形をとる。Aの説明がBでなされる。この問いの文は動詞がbe動詞でないが、それでもいっしょ。続く部分を見る。ただし、「きちんと荷づくりする」というようなことを答えに含めてはいけない。なぜなら、聞かれているのはあくまでも語句の意味だからだ。
問2 They didn'tはtheyが代名詞、didn'tが代動詞で、要するに文全体が何かの代り。何の代りかは(2)より前から探す。they go backやthey worryは動詞が現在形だから、didn'tの時制と合わない。they leftなら合っている。ただし、didn't= didn't leave the iron on(アイロンをつけっぱなしにしていなかった)。
問3 mean to 〜は「〜するつもりだ」の意。現在完了進行形になっているので、現在までの継続の意味を表している。「今までずっと〜するつもりできている」ということである。医者に診てもらわなければと思いつつも、そのまま行かないですませている、ということ。
(B) 本文では、Type Aの人とType Zの人のふるまい方の違いがずっと述べられてきた。この行動の違いを性格の違いとして要約して示すわけである。タイプAがきちょうめんであることは間違いない。また、タイプZがずぼらであることも間違いない。設問の指示の「簡潔に」がどの程度の簡潔さを求めているのかはっきりしないが、一応「タイプAの人はきちょうめんであり、タイプZの人はずぼらである」としておいて、もっと重大な違いが本文で述べられていないかどうか確認したほうがよい。もう少し、あと2語くらいつけたしても、簡潔さは保たれるだろう。本文に戻ってみると、「じっくり対あわてる」の行動パターンの違いも目だつ。また、「心配症対のんき」の違いも目だつ。解答に示したように「〜で〜で〜だ」のような表現にしておいたほうが無難だろう。
コラム 対立をつかむ
英語の文章では、A対Bのように2つの物事を対立させて論を進めることが、日本語の文章よりも多く見られる。このような論の場合、文やパラグラフの形まで対比的になっていることが多いので、文同士の対立の場合は、この主語に対してこの主語、この動詞に対してこの動詞、といったように2文のあいだの対応関係を意識してつかむと、よい読みができる。本文では、1パラグラフ内において文同士が対立的になっている部分もあれば、隣り合ったパラグラフ対パラグラフの対立になっている部分もある。
第4問 ドジのチャンピオン
The least successful tourist on record is Mr. Nicholas Scotti of San Francisco. In 1977 he flew from America to his native Italy to visit relatives.
The plane made a one-hour fuel stop at Kennedy Airport. Thinking that he had arrived,Mr. Scotti got out and spent two days in New York believing he was in Rome.
When his nephews were not there to meet him, Mr. Scotti assumed they had been delayed in the heavy Roman traffic mentioned in their letters.While tracking down their address, (1)the great traveler could not help noticing that modernization had brushed aside most, if not all, of the ancient city's remarkable buildings.
He also noticed that many people spoke English in a distinct American accent. However,he just assumed that Americans got everywhere. Furthermore, he assumed it was for their benefit that so many street signs were written in English.
Mr. Scotti spoke very little English himself and next asked a policeman in Italian the way to the bus terminal. As chance would have it, the policeman came from *Naples and replied fluently in (2)the same tongue.
After twelve hours traveling round in a bus, the driver handed him over to a second policeman. There followed a brief argument in which Mr. Scotti expressed amazement at the Rome police force employing someone who did not speak (3)his own language.
Scotti's brilliance is seen in the fact that even when he was told that he was in New York, he refused to believe it.
To get him on a plane back to San Francisco, he was raced to the airport in a police car with sirens screaming. "See," said Scotti to his interpreter, "I know I'm in Italy. That's how they drive." *Naples: ナポリ
問1 下線部(1)を日本語に訳しなさい。
問2 下線部(2)(3)がそれぞれ指している言語の名前を英語で答えなさい。
問3 本文の内容に合致しないもの2つを下から選んで、記号で答えなさい。
(a)Mr. Scotti took a plane bound for Rome.
(b)Mr. Scotti's nephews may have been delayed in the heavy traffic.
(c)Mr. Scotti was born in Italy.
(d)Mr. Scotti successfully found the bus terminal.
(e)The police needed an interpreter in order to communicate with Mr. Scotti.
(f)Mr. Scotti was finally persuaded that he was in New York.
[語句と構文]
□the least 〜 最も〜でない(⇔ the most 〜)
□make a stop at 〜 「〜に立ち寄る」cf. come to a stop 止まる
□fuel stop 燃料補給のための立ち寄り
□Kennedy Airport ケネディー空港((New York市にある))
□thinking that 〜 〜と思って(=as he thought that 〜(分詞構文))
□believing 〜 〜と思い込んで(分詞構文)
□assume (that) 〜 〜とみなす
□be delayed 遅れる
□in a heavy traffic 交通量の激しさのために
□mention 〜のことを書く、話に出す
□while 〜ing =whileS be 〜ing。
□track down 見つけ出す
□cannot help 〜ing 〜しないではいられない
□notice that 〜 〜であることに気づく
□modernization 現代化
□brush aside 〜 〜を払いのける
□if not 〜 〜ではないにしても
□remarkable 注目すべき(語句と構文)
□distinct はっきりした
□accent なまり
□assume that 〜 〜と思いなす
□get everywhere どこにでも行く
□furthermore さらに
□it is 〜 that … …は〜である(強調構文)
□for 〜's benefit 〜のために(=for the benefit of 〜)
□street sign 街路の標識
□speak little English ほとんど英語を話さない
□in Italian イタリア語で
□bus terminal バスのターミナル
□as chance would have it 偶然にも
□fluently 流暢に
□tongue ことば
□hand 〜 over to … …に〜を手渡す、引き渡す
□there followed 〜 〜が後に続いた
□brief 手短な
□argument 言い争い
□amazement at A 〜ing Aが〜することに対する驚嘆
□police force 警察(policeとほぼ同じ)
□brilliance すばらしさ(形容詞brilliantの名詞形)
□the fact that 〜 〜という事実
□refuse to 〜 〜することを拒む、どうしても〜しようとしない
□be raced to 〜 〜へ急いで運ばれる
□siren サイレン
□interpreter 通訳
[本文の主旨]
旅行者として最もうまくいかなかったのは、スコッティーさんだ。 スコッティーさんは2日間ニューヨークをローマと勘違いしたまま過ごした。 スコッティーさんはニューヨークをローマと信じ込んだ。 スコッティーさんは、偉大な勘違いを重ねた。 スコッティーさんの勘違いには偶然も手助けした。 スコッティーさんは何でも自分寄りに解釈した。 スコッティーさんは人の言うことなどは信じなかった。 スコッティーさんは最後まですばらしかった。
[全文訳]
記録上最もうまくいかなかった旅行者は、サンフランシスコに住むニコラス・スコッティーさんである。1977年に彼はアメリカからふるさとのイタリアに親戚を訪れに飛行機で発った。
スコッティーさんの乗った飛行機は給油のためにケネディー空港に1時間立ち寄った。スコッティーさんは到着したと思い、機外に出てローマにいるものと思い込んだままニューヨークで2日を過ごした。
スコッティーさんは出迎えるべき甥たちがいなかったことについては、彼らが手紙で言っていたローマのひどい交通事情のために遅れたのだとみなした。偉大な旅行家は、甥たちの住んでいる所をつきとめようとしながら、その古い町の中のめだつ建物が、すべてではないにしてもかなり、現代化のためになくなってしまっていることに気づかざるをえなかった。
スコッティーさんはまた、多くの人がはっきりとアメリカなまりとわかる英語を話すことにも気づいた。ただし、アメリカ人はどこにでもいるものだとしか、スコッティーさんは考えなかった。おまけに、英語で書かれた道路標識がたくさんあったことについても、そういうようなアメリカ人のためなのだろうと考えた。
スコッティーさん自身はほとんど英語は話せなかったので、次に彼は警官にバスの乗り場へはどう行けばいいのかイタリア語で聞いた。偶然にもその警察官はナポリ出身の人で、同じ言語で流暢に答えた。
12時間バスに乗ってあちこちめぐった後、スコッティーさんは2人目の警官にバスの運転手から引き渡された。そこで少しやり取りがあったが、スコッティーさんはその時にも、イタリア語を話せない者を雇うなんてローマ警察もたいしたものだと驚いてみせた。
スコッティーさんの素晴らしさは、ニューヨークにいるんですよと告げられてもなお、信じようとしなかったことにある。
サンフランシスコに戻る飛行機に乗せるために、サイレンを鳴らしたパトカーがスコッティーさんを空港まで急送した。「ほらね」とスコッティーさんは通訳に言った。「やっぱりここはイタリアだ。運転の仕方がそうだもの」。
[解答と解説]
解答
問1 偉大な旅行家は、甥たちの住んでいる所をつきとめようとしながら、その古い町の中のめだつ建物が、すべてではないにしてもかなり、現代化のためになくなってしまっていることに気づかざるをえなかった。
問2 (2) Italian (3) Italian
問3 (b), (f)
解説
問1 まず大まかに構文をとらえると、cannot help 〜ing(〜せざるをえない)がある。thatはnotice that 〜(〜だと気づく)のthatで、このthat節は文末まで続いている。cannot help 〜ingは、「〜せざるをえない、どうしても〜してしまう、〜しないではいられない」という意味の熟語。やや大げさな言い方であるが、そこに筆者の皮肉が込められていて、ユーモラスな効果を生んでいる。
主語のthe great traveler(その偉大な旅行家=Mr. Scotti)も皮肉、the ancient city(=Rome)も皮肉を補助している。that節の中の主語modernizaton(現代化)は無生物主語。brush asideは、「掃くようにして払いのける」という意味。if not 〜(〜ではないにしても)は挿入句で、allはmostに対して並べられている。most以下はすべてbrushed asideの目的語。most以下は、引きのばすと、most of the ancient city's remarkable buildings, if not all of the ancient city's remarkable buildingsということ。
問2 (2) 直前に警官はナポリ出身とあり、それに続いて(スコッティーさんのと)同じことばで流暢に話したとなっているのだから、the same tongueとはイタリア語である。
(3) 単にフィーリングで解くとまちがえる可能性がある。hisが誰のことを指しているのか、文法的にとらえる必要がある。このhisが含まれている名詞的語句は、someone who did not speak his own language。代名詞が指す語句はその近くにあるという条件をここであてはめると、hisはsomeoneを指すことになる。このように文法的に構造をつかんでから、意味的にもそれでよいかどうか、確認する。
下線部(3)が含まれている文は、第2の警官が現われた後、ちょっとした言い争いがあり(There followed a brief argument)、その言い争いの中で(in which)、スコッティーさんがあきれてみせた(Mr. Scotti expressed amazement)ことが、ローマ警察が自国語を話せない者を雇うこと(the Rome police force employing someone who did not speak his own language)だった、ということを言っている。スコッティーさんの勘違いが依然として続いているという筋にも合っているし、意味的にもこれでよい。したがって、自国語とはイタリア語のことである。
問3 選択肢の意味は次のとおり:(a)スコッティーさんはローマ行きの飛行機に乗った。
(b)スコッティーさんの甥たちは、交通渋滞のために遅れたのかもしれない。
(c)スコッティーさんはイタリアで生れた。
(d)スコッティーさんはバスのターミナルをうまく見つけることができた。
(e)スコッティーさんとやりとりするために警察は通訳が必要だった。
(f)スコッティーさんはついに説得されて、ニューヨークにいるのだと考えなおした。
(a)は第1パラグラフでイタリア行きの飛行機に乗ったことがわかり、第2パラグラフで、降りたところはローマと思い込んでいるので、「ローマ行き」と言ってもよいだろう。
(b)は「...とスコッティーさんは考えた」のようになっていれば内容に合致していると言えるが、このままでは本文が示す事実に合っていない。
(c)は、第1パラグラフのnative Italyから、合致していると判断できる。
(d)は第5、第6パラグラフの内容から、正しいと判断できる。
(e)の「通訳」は、本文では最終パラグラフにのみ登場しているが、his interpreter(彼専用の通訳)という表現から、警察がスコッティーさん用に雇ったものと推理され、その推理の内容に合致している。
(f)は最後から2つ目のパラグラフにhe refused to believe itとある。
第5問 虹
A rainbow is one of the most beautiful scenes in nature, and man has long wondered what makes it happen. Even Aristotle, the great Greek philosopher, tried to explain the rainbow. He thought it was a reflection of the sun's rays by the rain, and he was wrong!
A rainbow is simply a great curved spectrum, or band of colors, caused by the breaking-up of light which has passed through raindrops. (1)The raindrops act as prisms.
Sunlight, or ordinary white light, is really a mixture of all the colors. You've probably seen what happens when light strikes the edge of a mirror, or a soap bubble. The white light is broken up into different colors. We see red, orange, yellow, green, blue, and violet.
An object that can break up light in this way is called "a ( 2 )." The colors that emerge form a band of stripes, each color grading into the one next to it. This band is called "a ( 3 )."
A rainbow is seen only during showers, when rain is falling and the sun is shining at the same time. You have to be in the middle, the sun behind you, the rain in front of you, or you can't see a rainbow! The sun shines over your shoulder into the raindrops, which break up the light into a spectrum, or band of colors. The sun, your eyes, and the center of the arc of the rainbow must all be in a straight line.
If the sun is too high in the sky, it's impossible to make such a straight line. That's why ranbows are seen only in the early morning or late afternoons. A morning rainbow means the sun is shining in the east, showers are falling in the west. An afternoon rainbow means the sun is shining in the west and rain is falling in the east.
Superstitious people used to believe that a rainbow was a sign of bad luck. They thought that souls went to heaven on the bridge of a rainbow, and when a rainbow appeared it meant someone was going to die!
問1 本文中の下線部(1)を和訳しなさい。
問2 本文中の空所(2)(3)に入れるのに最も適切なものをA〜Eからそれぞれlつ選びなさい。
A. sunlight B. prism C. band D. spectrum E. rainbow
問3 次の(1)〜(7)について、本文の内容と一致するものはT、一致しないものはFの記号で、それぞれ答えなさい。
(1) Aristotle had a scientifically incorrect idea about the rainbow.
(2) A rainbow is a giant arc of spectrum.
(3) You can see a rainbow whenever rain is falling.
(4) In order to see a rainbow, you must be in front of the rain.
(5) A rainbow can't be seen if the sun is very high.
(6) It is impossible to see a rainbow in the western sky in the early morning.
(7) There used to be a superstition that when a rainbow appears someone will die.
[語句と構文]
□scene 眺め
□nature 自然
□wonder what ... 何が...なのかと思う
□what makes O+(原形) どうしてOが〜するのか(間接疑問節)
□Greek ギリシャの(名詞Greeceの形容詞形)
□Aristotle アリストレス
□philosopher 哲学者 cf. philosophy 哲学
□a reflection of 〜 by … …によって〜が反射されたもの。
□ray 光線。
□simply 〜 〜にすぎない。=only。
□curved カーブした。
□spectrum スペクトル(光をプリズムなどに通したときにできる虹色の帯)
□band 帯
□cause 引き起こす
□breaking-up of light 分光、光が分かれること cf. break up 分かれる、分ける
□raindrop 雨滴
□act as 〜 〜の働きをする
□as 〜 〜として
□prism プリズム
□or 言いかえれば、すなわち
□ordinary ふつうの
□really 実は
□a mixture of 〜 〜が混じったもの
□strike 突き当たる
□edge 端
□soap bubble 石鹸の泡
□be broken up into 〜 分かれて〜になる
□object 物
□in this way このようにして
□emerge 現われる
□stripe しま
□each color grading... 付帯状況を表す分詞構文。each colorは分詞の意味上の主語。
□grade into 〜 (色などが)次第に〜に変化する
□the one next to it =the color next to the color(その色の隣の色)
□shower にわか雨
□..., when 〜l ...であり、そしてそのときには〜。whenは継続(非制限)用法の関係副詞で、ここではand thenに言いかえることができる。先行詞はshowers。
□at the same time 同時に
□in the middle まんなかに
□the sun behind you 太陽を背にして =with the sun behind you。付帯状況を表すwith 〜の句のwithがなくなった形。
□or そうでないと
□shine over A into B A越しにBに入っていくように輝く
□..., which 〜 ... であり、そしてそれは〜。whichは継続(非制限)用法の関係代名詞で、ここではand theyに言いかえることができる。先行詞はraindrops。
□arc 弧
□in a straight line 一直線状に
□it's impossible to 〜 〜するのは不可能である
□That's why 〜 そういうわけで〜
□superstitious 迷信深い
□used to 〜 以前はよく〜したものだった
□a sign of 〜 〜のしるし
□bad luck 不運、不幸
□soul 魂
□go to heaven 天国に昇っていく
□on the bridge of a rainbow 虹のかけ橋に乗って
□it= 虹が現われたこと
□meant =meanの過去形
[本文の主旨]
美しい虹がなぜ発生するのか、人間は古くから考えてきた。虹は光のスペクトルにすぎない。 太陽の光線はいろいろな色が混じりあったものである。白昼光線を分光するもののことをプリズムと言い、プリズムによって得られる帯のことをスペクトルと言う。 虹を見るには、条件がそろわなければならない。前方で雨が降っていて後方に日が出ている、その中間にいて、特に太陽と人の目と虹が一直線に並んでないと見られない。 この条件のために、虹は午前中早いときか午後遅くにしか見られない。虹は不幸があるしるしという迷信がかつてはあった。
[全文訳]
虹は自然界において最も美しい眺めのうちのひとつです。人間は長く、どのようにして虹が発生するのか不思議に思ってきました。ギリシャの偉大な哲学者アリストテレスでさえ、虹を解明しようとしました。虹は雨によって太陽光線が反射させられたものと彼は考えましたが、それは間違いでした。
虹は大きく弧を描いたスペクトルにすぎません。つまり、色の帯です。それは雨滴を通過した光が分かれることによって引き起こされます。雨滴がプリズムの作用をするのです。
太陽光線、言いかえればふつうの白い光は、実のところ、すべての色が混じりあったものです。光が鏡の縁や石鹸の泡にぶつかるとき、どのようなことが起こるか、おそらく見たことがあるのではないでしょうか。白い光線がいろいろな色に分かれます。赤、橙、黄色、緑、青、紫が見えます。
こんな具合に光を分けることができる物のことを「プリズム」と呼びます。現われる色は、縞模様の帯を作りますが、これはそのおのおのの色が隣あった色へと次第に移っていくような帯です。この帯は「スペクトル」と呼ばれています。
虹はにわか雨のときにしか見られません。しかも、雨が降っていると同時に、日も輝いていなければなりません。また、虹を見るためには太陽を背にし、雨を前にして、その中間の位置にいなければならず、そうでないかぎり、虹を見ることはできないのです。太陽光線はあなたの肩越しに雨滴の中へと入っていき、その雨滴が光をスペクトルに、つまり、虹の帯に、変えます。太陽、人の目、虹の弧の中心は、すべて一直線に並んでいなければなりません。
太陽が空高くにあるときには、そのような直線はできません。ですから、虹は午前早くか午後遅くにしか見られないのです。午前中の虹は日が東にあって、にわか雨が西で降っていることを意味します。午後の虹は、太陽が西で雨が東ということです。
かつて迷信深い人たちは虹は不幸のしるしだと思っていた。そういった人々は、魂は虹のかけ橋を昇って天国に行く、虹が現われると誰かが死ぬ、というように考えていました。
[解答と解説]
解答
問1 雨滴が[は]プリズムの働きをする。
問2 (1) B (2) D
問3 (1) T (2) T (3) F (4) T (5) T (6) F (7) T
解説
問1 actはこのとき動詞。「行動する・ふるまう・働きをする・演じる」という意味のうち、「働きをする」が最もふさわしい。
問2 (2) 第2パラグラフの最後にprismsが登場し、続くでprismsの説明があり、問題になっている文でa prismの定義がなされている、という流れをつかみとれば、prismなる単語が未知のもだったとしても解ける。
(3) 第2パラグラフ第1文にspectrum, or band of colorsとある。このorは「言いかえれば」という意味だから、spectrumの説明がここでなされていたことになる。(2)同様、語彙問題ではなく、読解問題。
問3 Tはtrueのt、Fはfalseのf。(1) Aristotle had a scientifically incorrect idea about the rainbow.「アリストテレスは虹について科学的に間違った考えをしていた」。第1パラグラフ最後にhe was wrongとある。incorrect「正しくない」(correctの反意語)。
本文のa reflection of the sun's rays by the rainは、名詞化形と呼ばれる形。名詞化形は、文あるいは動詞的表現が名詞的な語句に形を変えたものと見なすことができる。The rain reflects the sun's rays.のreflect the sun's rays(太陽光線を反射する)を名詞化形にすると、the reflection of the sun's rays(太陽光線を反射すること・太陽光線の反射・太陽光線が反射されたもの)という形になる。これに受け身でおなじみのby the rain(雨による)をつけると、本文中に見られる名詞化形ができあがる。
(2) A rainbow is a giant arc of spectrum.「虹は巨大な弧のスペクトルだ」。第2パラグラフにa great curved spectrum(大きくカーブしたスペクトル)とある。
(3) You can see a rainbow whenever rain is falling.「虹は雨が降っているときにはいつでも見られる」。whenever 〜「〜のときにはいつでも」。
(4) In order to see a rainbow, you must be in front of the rain and looking toward it.「虹を見るためには雨の真ん前にいて雨のほうを向いていなければならない」。第5パラグラフにthe rain in front of youという条件が書いてある。with the rain in front of you(雨を真正面にして)ということだが、(4)の文はこの内容に合っている。in order to 〜「〜するために(は)」。
(5) A rainbow can't be seen if the sun is very high.「太陽が非常に高いと虹は見ることができない」。第6パラグラフの最初に対応。it is impossible to make such a straight line.は「そのような直線(=虹を見るための条件)を作ることは不可能だ」。
(6) It is impossible to see a rainbow in the western sky in the early morning.「午前中早くには西の空に虹を見るのは不可能だ」。第6パラグラフの第3文の内容に反している。
(7) There used to be a superstition that when a rainbow appears someone will die.「虹が現われると誰かが死ぬという迷信がかつてあった」。第7パラグラフの内容に合っている。there used to beはthere beのbeにused toがついたもの。a superstition that 〜「〜という迷信」。このthatは「という」の意味で、抽象的な名詞の具体的な内容を導く働きをする。
コラム トピック・センテンス
トピック・センテンスとは、その文章全体の話題や個々の段落の話題を、はっきりと提示する働きをする文のこと。個々の段落には、必ずしもトピック・センテンスがあるとはかぎらないが、かなりの場合にある。
英語の文章は、トピック・センテンスを文章の最初や段落の最初に置いて、これからこのような話題で話を進めますという合図にすることが多い。たとえばこの文章では、第1段落から第4段落までが「虹はどのようにして起こるのか」の説明になっているが、その話題で話が進みますよという合図を、第1パラグラフの第1文がしている。また、第3パラグラフでは、やはり第1文が、この段落の範囲内でのトピック・センテンスになっている。
第6問 アインシュタイン博士の言葉
It was a strange sight: a man, standing before a fountain, watching the falling water and tilting his head from side to side. Drawing closer, I saw he was rapidly moving the fingers of his right hand up and down in front of his face.
I was eleven, visiting Princeton University with my science class, and the man at the fountain was Albert Einstein.
For several minutes, he continued silently flicking his fingers. Then he turned and asked, "Can you do it? Can you see the individual drops?"
Copying him, I spread my fingers and moved them up and down before my eyes. Suddenly the fountain's stream seemed to freeze into individual droplets. For some time, the two of us stood there perfecting (1)our strobe technique. Then, as the professor turned to leave, he looked me in the eye and said, "Never forget that science is just that kind of exploring and fun."
Nearly half a century later, I've spent an entire career trying to impart Einstein's words to adults and children all over the world: science is exploring, and exploring is fun.
Sadly, far too few schools make the subject appealing. (2)Science courses introduce more new vocabulary than foreign-language classes do. Textbooks are as dull as dictionaries. As a result too many children think that science is only for people as smart as Einstein.
The irony is that children start out as natural scientists, instinctively eager to investigate the world around them. (3)Helping them enjoy science can be easy—there's no need for a lot of scientific terms or expensive laboratory equipment. You only have to share our children's curiosity.
問1 下線部(1)の「ストロボスコープの技術」の具体的な内容を、50字以内(句読点を含む)の日本語で述べなさい。
問2 下線部(2)、(3)を和訳しなさい。
[語句と構文]
□it その場の状況を漠然と指すit。
□sight 光景
□a man, standing..., watching... and tilting... 光景を文の形でなく、切れ切れの言葉で描写したもの。〜ingはいずれも分詞。文の形で示せば、I saw a man standing ...となろう。
□fountain 噴水
□falling water 落ちてくる水
□tilt 傾ける
□from side to side 左右に
□draw close 近くに寄る
□rapidly 速く
□up and down 上下に
□visiting 分詞構文。= and I was visiting。
□Princeton University プリンストン大学
□science class 理科のクラスの人たち
□Albert Einstein アルバート・アインシュタイン(1879-1955)
□continue 続ける
□silently 黙って
□flick すばやく動かす
□turn 振り向く
□individual 個々の
□drop 水滴
□copying him 彼のまねをして(分詞構文)
□spread 広げる
□stream 流れ
□seem to 〜 〜するように思える
□freeze into 〜 凍りついて〜になる
□droplet 水滴
□for some time しばらくの間
□the two of us 私たち2人
□perfect 完全なものにする、完成させる
□strobe =stroboscope ストロボスコープ
急速に動く物体を静止状態でとらえて観察する装置
□technique 技術
□professor 教授
□look (人) in the 〜 (人)の〜の中を見る
□explore 探検調査する、探究する
□half a century 半世紀
□spend (時間) 〜ing 〜して(時間)過す
□an entire career 全生涯
□impart 知らせる
□sadly 悲しいことに
□far too few 〜 〜があまりにも少なすぎるfarはtooを強める。
□subject 科目
□appealing 魅力ある
□course 教科、科目
□introduce 導入する
□vocabulary 用語、語彙
□as a result その結果
□smart 頭のよい
□the irony is that 〜 皮肉なことに〜である
□start out 出発する
□natural 生まれつきの
□instinctively 本能的に
□eager to 〜 〜することを切望して
□investigate 調査する、研究する
□help O+(原形) Oが〜するのを助ける
□there's no need for 〜 〜の必要はない
□scientific terms 科学用語
□laboratory 実験室
□equipment 設備
□only have to 〜 〜しさえすればよい
□share 分かちあう
□curiosity 好奇心
[本文の主旨]
手を顔の前で振り、首を傾げながら噴水の水を見る不思議な男を私は見つけた。私は級友たちとともに、プリンストン大学を訪問していた。男はアインシュタイン博士だった。 アインシュタインは噴水の水の水滴を見ていたのだ。私もまねしたら、すごいことが起こった。アインシュタイ ンは科学はおもしろいものなのだと私に告げた。私は生涯アインシュタインの言葉を人々に告げてきた。学校で教わる科学は子供たちにとって魅力的でない。子供は生れながらの科学者である。子供の好奇心を大切にしよう。
[全文訳]
それは不思議な光景だった。男が一人、噴水の前に立っていて、首を左右に傾げながら、落ちてくる水を見ているのだった。もっと近寄ってみると、その男は自分の顔の前で右手の指をすばやく上下に動かしていた。
私は11歳で、理科のクラスの級友たちといっしょにプリンストン大学を訪問していた。噴水の所にいたその男は、アルバート・アインシュタインだった。
数分間彼は黙って指をすばやく動かし続けていた。それから彼は振り向いて尋ねた。「きみもできるかな? 水滴を一つずつ見ることができるかな?」
彼のまねをして、私も指を広げて目の前で上下に動かしてみた。すると突然、噴水の水の流れが凍りつき、一つ一つの水滴になったように見えた。私たち2人はそこにしばらく立ったまま、ストロボスコープの技術を完全なものにしようした。それから教授が立ち去ろうとして向きなおりながら、教授は私の目をのぞきこむようにして、こう言った。「忘れないようにね。科学というものは、ちょうどこんなふうな探究なんだ。おもしろいものなんだよ」。
それからほぼ半世紀たった今、振り返り見ると私は、世界中の大人たちや子供たちに、科学とは探究であり、探究するのはおもしろいものだというアインシュタインの言葉を伝えようとして全生涯を費やしてきたのだった。
悲しいことに、科学の授業を魅力あるものにしている学校はあまりにも少なすぎる。科学の授業は外国語の授業よりももっと多くの新しい語彙を導入している。教科書は辞書のように退屈だ。その結果、あまりにも多くの子供たちが、科学とはアインシュタインのような頭のいい人たちだけのものであると考えてしまうのだ。
皮肉なことに、子供たちは生まれつき科学者としてスタートを切る。本能的に自分の周りの世界をしきりに調べたがるのだ。子供たちが科学を楽しむように手助けするのは簡単なことになりえる。たくさんの科学用語も高価な実験装置も必要ない。子供たちの好奇心をあなたがたが分かちあうだけでよいのである。
解答と解説
解答
問1 広げた手の指を目の前で上下に動かして首を左右に傾げ、噴水の落ちてくる水の水滴の一つ一つを見る技術。(49字)
問2 (2) 科学の授業は外国語の授業よりももっと多くの新しい語彙を導入している。
(3) 子供たちが科学を楽しむように手助けすることは簡単なことだ。たくさんの科学用語も高価な実験装置も必要ない。
解説
この文章は回想記・逸話のなかまに入る。相対性原理を提唱し、ノーベル物理学賞を受賞した偉大な科学者アインシュタイン博士についての回想記や逸話は、入試の長文問題の材料としてよく用いられる。
問1 下線部(1)our strobe technique(私たちのストロボスコープの技術)とは、アインシュタインが噴水の前でデモンストレーションしていたのを、この文章の筆者がまねし、そのことに対して筆者が命名したもの。したがって、この場合の「そのこと」の内容を制限字数以内にまとめて示せばよい。
最も頼りになるのは、第1パラグラフの内容。そこにあるstandingやwatchingやtiltingは、語句と構文の欄にも記したが、分詞である。ただし、分詞構文と呼べるほど構文としてしっかりしたものになってはいない。I saw a man standing...(男が立って...なのを見た)や、A man was standing...(男が立って...していた)というような内容を、目に見えた通りに、その順に、切れ切れに描写した形になっている。tiltingは、「振る」といえるほど、ある程度の激しさのある動きを言っているわけではない。元来tiltは「傾ける」という意味だから、from side to side(左右に)とあるけれども、おそらく比較的ゆっくりした振り方だったろうと思われる。
それから、第2文にあるthe fingers of his right hand(右手の指)は、訳せば「右手の指」だが、この形では、つまり、theがついて複数形になっていてofの前にきているこの形では、指5本全部のことになることにも注意しよう。1本や2本ではない。このあたりの意味を、解答では「広げた手の指」という言いかたで示した。なお、このことは、語句の形を見ただけで言えること。たとえば、the teachers at this schoolというと、先生方全員を意味するのといっしょ。
またなお、よけいなことかもしれないが、手が右であることは解答の必要条件ではない。これはアインシュタインさんがたぶん右利きだったからにすぎない。しかし、この動きはやってみればわかるが難しい。ぶきようだとできない。
問2 (2) science coursesはほぼ前文のthe subjectの言いかえになっている。「理科の科目」や「科学の講座」などと訳してよい。introduceは「導入する」、または「紹介する」でもよい。moreはmuchの比較級。vocabularyは数えられない名詞だから、manyでなくmuch。vocabularyはふつう「語彙」と訳されて、ここでもその訳でよいが、「用語」としてもよい。文末のdoは代動詞。代動詞というものは、単に動詞の代りをするばかりでなく、VOやVC、VOOやVOCの代わりもする。ここではintroduce new vocabularyというVOの代わりをしている。
(3) ダッシュ以前はhelping them enjoy scienceという動名詞の句が主語になっている。この句の中に、help+O+(動詞の原形)という構文が入っている。can be easyのcanは「可能」の意味で、easyの状態になることは可能だ、の意。
ここのダッシュは、可能な状態と現状とを、対比的に並べる働きをしている。ダッシュがどのような働きをしているのか考えることは大切だが、
たいていの場合ダッシュは特に訳出する必要がない。「。」で区切って2文にしてよい。
there's no need for 〜(〜を求める必要はない)のforは「〜を求めて」の意味。ただし、「〜の必要」とするだけで、ここでは十分。「〜する必要はない」をthere's no need to 〜のように不定詞を用いて言うことも覚えておこう。
コラム 分詞構文
この文章の筆者は分詞構文が好きらしく、頻繁に出てきている。特に「付帯状況」を表す分詞構文が多用されている。たとえば、I was eleven, visiting ....やCopying him, I spread...や、the two of us stood there perfecting ...などが付帯状況の例。 付帯状況とは、主な状況に付帯している状況という意味。I was eleven, visiting ....では, I was elevenが主な状況で、visiting ...(=and I was visiting ...)が付帯状況。 Copying him, I spread...では、Copying him(=I copied him and)が付帯状況で、I spread ...が主な状況である。
第7問 食べるダイエット
When I was a college student, I was very fat and often teased about my weight. One Friday night, for example, several girls who lived in the same dormitory called a local pizza shop. They ordered seventeen pizzas—all to be delivered in my name. About 30 minutes later, one of them called me and said, "There' s a guy at the front door to see you." I rushed downstairs. I could hear them giggling from behind the stairs. When I opened the door, there was a delivery boy with seventeen pizzas stacked in his arms. I paid him with the money I'd been saving for a new dress.
During the next four years I tried eight different diets. And I failed at all of them. But during my second year in medical school, I was invited to take part in a unique new weight-loss program called the Columbus Program. This wasn't a "diet." It was entirely different. It had been developed by a team of medical specialists who treat the severely fat.
I began the program on February 4th. For the first two days nothing happened. But on the third day my weight began dropping. Rapidly. Within the next 24 weeks I lost 57 pounds. And during the next four weeks I lost an additional 13 pounds. This may not seem like a lot. But this was the first time in my life I had consistently lost weight. And kept it off.
The program worked for one simple reason. I was allowed to eat. I could eat six times every day. I could have 3 regular meals. Plus a morning snack. An afternoon snack. Even a snack at night. There was so much food on the program, I could hardly eat it all.
How can you eat so much food and still lose weight? The secret is not the amount of food you eat. It's the combination of foods you eat in each 24-hour cycle.
And it's all good healthy food. No strange foods. You'll enjoy a variety of meats, chicken, fish, vegetables, potatoes, pasta, sauces—plus your favorite snacks. Once you lose the weight, you'll keep it off. Permanently! Because this program lets you continue your normal eating lifestyle. You can have a snack in the afternoon, before dinner, and even at night while you're watching TV.
問1 Who did the delivery boy think ordered seventeen pizzas?
問2 How many diets did the writer try before the Columbus Program?
問3 In total, how long did it take the writer to lose 70 pounds?
問4 How often does the Columbus Program allow you to eat each day?
問5 What is the secret of the Columbus Program?
[語句と構文]
□and often teased =and I was often teased
□weight 体重
□for example たとえば
□dormitory 寮
□call 電話する
□local 地元の
□order 注文する
□deliver 配達する
□to be 〜 〜されるように
□in 〜's name 〜の名前で
□guy 男
□There's a guy to see you. あなたに会いにきた男がいる
□rush 急いで行く
□giggle くすくす笑う
□hear O 〜ing Oが〜しているのを耳にする
□from behind 〜 〜のかげから
□stairs 階段
□with O+(過去分詞) Oを〜されて
□stack 積み重ねる
□diet ダイエット
□fail at 〜 〜に失敗する
□medical school 医学部
□be invited to 〜 〜するように誘われる
□take part in 〜 〜に参加する
□unique 独特の
□weight-loss program 減量プログラム
□entirely まったく
□be developed 開発される
□specialist 専門家
□treat 治療する
□the severely fat 極度に太った人たち
□rapidly 急速に
□pound ポンド1 pound=0.54356Kg。
□additional 追加の
□consistently 一貫して
□lose weight 体重を落す
□kept it off =kept the weight off(offは「離れて」の意でC)
□work (計画などが)うまくいく、(薬などが)効く
□for 〜 reason 〜の理由のために
□simple 単純な
□be allowed to 〜 〜することを許可される
□regular 通常の、規則正しい
□plus そしてその上(接続詞的な副詞)
□snack 軽食
□so 〜, ... たいへん〜なので...so 〜 that S can ...のthatが省略された形。
□on the program そのプログラムには
□can hardly 〜 ほとんど〜できない
□How can you 〜? どうしたら〜できるのか
□secret 秘密
□amount of 〜 〜の量
□combination 組み合わせ
□in 24-hour cycle 24時間の周期で
□healthy 健康に良い
□a variety of 〜 様々な種類の
□once 〜 いったん〜すると
□permanently 永久に
□let O+(原形) Oに〜させる
□continue 続ける
□normal 正常な
□lifestyle 生活様式
[本文の主旨]
大学生の頃太っていために、よくからかわれた。寮の友だちに17枚もピザを注文されて、貯金で代金を支払ったこともある。 その後いろいろなダイエットに失敗した後、あるユニークな減量プログラムに参加した。このプログラムで私は生れて初めて減量に成功した。 このプログラムが効いたのはどんどん食べてよいからだった。秘密は食べものの量にではなく組み合わせにある。 このダイエット・プログラムはほんとうに食べほうだいなのだ。
[全文訳]
私は大学生の頃、非常に太っていて、体重についてからかわれることがしばしばあった。たとえば、ある金曜日の夜、同じ寮に住む少女たちのうちの何人かが近くのピザ店に電話をした。彼女たちは17枚のピザを注文した—全部私の名前で配達するように。30分ほどたってから、彼女たちの1人が「玄関に男の人が会いに来ているわよ」と私に電話してきた。私は急いで下に降りていったが、そのとき彼女たちが階段のかげでくすくす笑っているのが聞こえた。ドアを開けると、配達の少年が17枚のピザを両腕にかかえて立っていた。私は新しい服を買うために貯めておいたお金で彼に支払いをした。
それから4年間、私は8種類のダイエットに挑戦した。そして、その全部に失敗した。しかし、医学部の2年のときに、コロンブス・プログラムと呼ばれる新しいユニークな減量プログラムに参加するように誘われた。これはいわゆる「ダイエット」ではなかった。まったく違うものだった。極度に太った人たちの治療にあたっている医学の専門家チームによって開発されたものだった。
私は2月4日から、そのプログラムを開始した。最初の2日間は何も起こらなかった。しかし、3日目に体重が減り始めた。それも急激に。それから24週間で、私は約30Kg減量した。そしてさらに4週間で、7Kgほど体重を落とした。これは多いようには思われないかもしれない。しかし、継続的に体重が減ったのは、私には生まれて初めてのことだった。おまけに、体重は減ったままだった。
このプログラムに効き目があった理由は、1つだけで、単純なものだった。食べることが許されていたからだ。毎日6回も食べられた。通常の3回の食事はもちろんのこと、午前中の軽食、午後の軽食、それに夜にも軽食があった。このプログラムには食べ物がとてもたくさん出てきたので、全部食べることはほとんどできなかった。
こんなに食べて、どうして体重を減らすことが可能なのか? その秘密は、食べるものの量にあるのではなく、1日に食べる食物の組み合わせにあるのだ。
しかもその食べものは全部おいしくて健康によいもので、風変わりなものはなかった。いろいろな肉、チキン、魚、野菜、じゃがいも、パスタ、ソース、おまけに大好きなスナックも楽しむことができる。いったん体重が減れば、元に戻ることがない。それも永久に! というのも、このプログラムではふつうの食事のスタイルを続けることができるからだ。午後に夕食前に、そして夜テレビを見ながら、スナックを食べることができる。
[解答と解説]
解答
問1 He thought the writer did.[He thought the writer ordered them.]
問2 She tried eight diets.
問3 It took her twenty eight weeks to lose 70 pounds.
問4 It allows you to eat six times each day.
問5 It is the combination of foods you eat in each 24-hour cycle.
解説
このような問題では、いわゆるケアレスミスをしないことが重要。スペルミス・時制・3人称単数現在のs、複数形のsなどに細かく気をくばり、書いた後見なおすようにしよう。
答えの文では、質問の文の中に登場する名詞や名詞句を受けて、代名詞に変えなければならない点にも注意。たとえば問4で、The Columbus Program ...のように答えた場合には、確実に減点されることになってしまう。
問いの指示にあるcomplete sentenceとは、たとえばAt Tokyo.やThree.というようなshort answerではなく、SやVやOやC(文型の要素)がそろった文のことを言う。副詞や副詞句は必要でない。
問1 Who did the delivery boy think ordered seventeen pizzas?「配達の少年は誰が17枚のピザを注文したと思ったのか」。第1パラグラフの最後に、筆者が貯金をはたいて払ったとある。I'd been savingはI had been savingの短縮形。「継続」の意味の過去完了進行形。
なお、この問いの文は、The delivery boy thought X ordered seventeen pizzas.という文のXをwhoに変えて文頭に出し、疑問文の語順に変えるとできる文である。 解答の文にあるdidは代動詞。この問に対する答えにHe thoughtは不可欠だが、仮にWho ordered seventeen pizzas?という質問だったら、Several girls who lived in the same dormitory did.と答えた場合、complete sentenceの指示に合わなくなる。
問2 How many diets did the writer try before the Columbus Program?「筆者はコロンブス・プログラムの前にいくつのダイエットを試したのか」。第2パラグラフの最初に、8つの異なったダイエットを試して、その全部に失敗し、それからコロンブス・プログラムに出会ったとあるから8つ。答えの文にbefore the Columbus Programをつける必要はない。
問3 In total, how long did it take the writer to lose 70 pounds?「筆者が70ポンド減量するのに合計でどれくらいかかったか」。第3パラグラフに、24週間で57ポンド、4週間で13ポンドとあるので、28週。答えの文にin totalという副詞句は不要。to lose 70 poundsもいらない。なぜなら、問答であるかぎり、質問者と回答者のあいだで了解済みのことだから。了解済みかどうかでいえば、It took herの部分も了解済みのはずだから、答えはTwenty eight weeks.のみでよいではないかと思うかもしれないが、そのようにするとcomplete sentenceという指示から、はずれることになる。 it take (人) (時間) to 〜「(人)が〜するのに(時間)かかる」。in total「合計で」。
問4 How often does the Columbus Program allow you to eat each day?「コロンブス・プログラムでは毎日何回食べてよいのか」。第4パラグラフにI could eat six times every day.とある。筆者のみ6回だったのか、誰でも6回なのかは、ここからは判断できないが、この質問に答えるための情報はここにしかないから、このところを答えればよい。how often=how many times。
問5 What is the secret of the Columbus Program?「コロンブス・プログラムの秘密は何なのか」。第5パラグラフにIt's(=The secret is) the combination of foods ...とある。これをそのまま答えればよい。
コラム 口語調の省略表現
会話文や口語調の文章には、よく省略表現が出てくる。省略は、そうできるからそうするのだが、省略できるための根拠というものがある。それは「相手(文章なら読者)とのあいだに了解が成り立っている」ことを根拠にする。
たとえば、第3パラグラフにRapidly.という1語から成る文があったが、これはその前にmy weight began droppingということが言われているから、読者のほうで減り方がrapidlyだったのだなと了解できる。この、とれるはずだと思われる了解にのっとって、筆者はこの種の省略文を使う。
同じ段落内のAnd kept it off.も同じだ。And (this was the first time in my life I had) kept it(=weight) off.のように省略が行われている。ふつうでない短い文があったら、省略表現ではないかと疑るようにしよう。
第8問 会話のキャッチボール
次の英文を読んで,下の問に答えよ。 [神戸学院大・法・栄養]
Conversation is a (1)turn-taking process. It may be compared to playing catch—throwing a ball back and forth gently between two players. This is unlike a real baseball game, in which the pitcher throws the ball hard, hoping that the batter will be unable to hit it. In playing catch, however, you have to ensure that your partner can catch the ball; (2)otherwise, how can he or she throw it back to you? In this sense, your initial throw is of special significance.
What is this initial "throw" in conversation? It is a kind of "commonality" between any two persons engaged in a conversation or in a dialogue. The more common the topic, the easier they will find it to continue talking. ( 3 ) something in common to talk about, (4)that much easier it is to converse.
Thus, an American, when talking with a stranger, is apt to talk about the weather to initiate the conversation. Someone might say: "It's nice today, isn't it?", "It's nasty out, isn't it?", and so on. These are starting expressions to which the other might respond, but little content is offered. (注}commonality 共通性
問1 下線部(1)の意味に最も近いものをA〜Eの中から1つ選んで,その記号を答えよ。
A. てきぱきと話題を変える
B. 先を争って話を進める
C. 回り道から始める
D. 交互に話を受け持つ
E. 相手の立場を尊重する
問2 下線部(2)の意味に最も近いものをA〜Eの中から1つ選んで,その記号を答えよ。
A. if not B. in the same way C. and yet
D. on the other hand E. so that
問3 空所(3)を満たすのに最も適当なものをA〜Eの中から1つ選んで,その記号を答えよ。
A. About B. Of C. With D. Above E. Beneath
問4 下線部(4)の用法とほぼ同じ用法のthatを含むものをA〜Eの中から一つ選んで,その記号を答えよ。
A. It's not really quite that interesting, you know.
B. This camera is far better than that one.
C. When are you going to pay me back that ten thousand yen?
D. Well, how is that bad leg of yours getting on?
E. I wonder why he has acted that way throughout his life.
問5 本文に表題をつけるとすれば何がよいか。最も適当なものをA〜Eの中から一つ選んで、その記号を答えよ。
A. To change the Subject
B. How to Play Catch
C. Selecting the Topic
D. How to Talk about the Weather
E. Starting a Conversation
[語句と構文]
□turn-taking 交互でする
□process (手順にしたがって進行する)過程、手順(proceed(進む)の名詞形)
□be compared to 〜 〜にたとえられる
□play catch キャッチボールをする
□back and forth 行ったり来たりして、往復して(「前後に」という意味のこともある)
□unlike 〜 〜に似ていない
□be unable to 〜 〜することができない
□in 〜ing 〜するときには(=when S〜)
□ensure that 〜 〜であることを保証する
□otherwise そうでなければ
□in this sense この意味で
□initial 初めの
□of special significance 特に重要な(of+(抽象名詞)は形容詞にあたる意味を持つ)
□a kind of 〜 いわば〜、〜のようなもの
□commonality 共通点(があること)
□be engaged in 〜 〜に従事している
□dialogue 対話、会話
□the+<比較級>…, the+<比較級>〜 …であればあるほど、ますます〜
□topic 話題
□continue 〜ing 〜し続ける
□have O in common Oを共通に持つ
□converse 会話する
□thus だから、したがって」thusは「このように、そのように」や「たとえば(の意味になることもある)
□be apt to 〜 〜しがちである
□initiate 始める、着手する
□might かもしれない
□nasty 荒れ模様で
□out 外で(は)(=outside)
□… and so on …など
□expression 言い回し、表現
□respond to 〜 〜に応じる
□content (表現によって表される)意味内容(⇔expression)
[本文の主旨]
会話はキャッチボールにたとえられる。会話もキャッチボールも、続けるためには最初が重要。 会話でキャッチボールの第1球にあたるものは、互いの共通点である。共通の話題があれば楽に会話が進む。 アメリカ人が見知らぬ人に天気のことを言ったりするのは、会話をしたがっている証拠なのである。
[全文訳]
会話は順番が交互にめぐって進んでいくものである。会話は2人のあいだでボールをゆっくりやりとりするキャッチボールにたとえられる。これはほんものの野球の試合とは違う。ほんものの野球の試合では、ピッチャーはバッターに打たれないようにと思ってボールをきつく投げる。しかし、キャッチボールをするときには、相手がボールを取れるように投げなければならない。そうでなければ、相手はボールを投げかえすことができない。この意味において、第1球が特に重要である。
会話での、この第1球とはなんだろうか? その第1球とは、いわば、会話や対話をする2人の人の「共通点」である。話題が共通であればあるほど、ますます楽に話を続けることができるようになる。話し合うのに何か共通のことがあれば、その分会話するのが容易になる。
こういうわけでアメリカ人は見知らぬ人と話をするときには、会話の皮切りとしてよく天気のことを話題にする。「今日はいい天気ですね」とか「外は嵐でしょうかね」とか「」、誰かが言ってくるかもしれない。こういった言葉は相手が応じてくるかもしれない会話の切り出しの文句であり、深い意味を含んではいないのである。
[解答と解説]
解答
問1 D 問2 A 問3 C 問4 A 問5 E
解説
問1 最初の文で、会話はa turn-taking processだとされ、続く第2文で、それがキャッチボールにたとえられている。キャッチボールはボールを交互にやりとりするものであるし、そのようなものであると同じ文中で説明されている。その点から解答が決まる。ちなみにturn-takingは、品詞は形容詞で、「(あることを)交互でする」という意味のtake turns(turn=「順番」)から派生したもの。
take turns <動詞>+<目的語>(VO)
turn-taking <元の目的語>+<動詞のing形>
上のような形容詞に変わると、turnsのsがなくなることに注意。年齢を表す〜 years oldが派生形容詞に変わると、〜-year-oldのようにsがなくなるのと同じ。e.g. He is 2 years old. → He is a two-year-old boy.
問2 otherwiseはhoweverに似ている。<…. 〜, however, 〜>とあれば、「…だ。しかしながら、〜〜」というように、前の内容を受けて後ろにつなげる働きがhoweverにはある。otherwiseも、これに似た働きをすることがある。<…; otherwise, 〜>となっていたら、前後のつながりに注意する。
この文章でotherwiseの前にあるのは、「キャチボールでは相手が取れるように投げるべきだ」。後ろにあるのは、「どうして投げかえせようか」。otherwiseはこの中間にあって、「そうでなければ」の意味を担っている。選択肢の語句は,次に示すとおりの意味:
A. if not 「そうでなければ」
B. in the same way 「同じやりかたで、同様に」
C. and yet 「しかし」(= but)
D. on the other hand 「他方で(は)、これに対して」
E. so that 「〜するために、それで」したがって、答えはA。<…; otherwise[if not], 〜>=「…だ。そうでなければ〜だ」を覚えておこう。if notはこのように省略形で用いるが、省略を補えばif (your partner can) not (catch the ball)ということ。
なお、how can S 〜?の疑問文は、「どうしたらSは〜できようか」と問いかけて、「どうやってもできっこない」という気持ちを読者に抱かせる作文上の技巧。「反語」の疑問文と呼ばれる。
問3・問4 単語や構文が似ていることから、空所( 3 )を含む文がその直前の文の言い換えになっていることをまずつかもう。直前のThe more …の文は、the+<比較級>…, the+<比較級>〜の構文で、「…であればあるほど、(その分)ますます〜」という意味を表す。このとき2つめのtheが「その分」という意味を持っている。
問4で問われているthat muchは「その分」の意味を担っている。thatが「その」にあたり、muchが「分」にあたる。このthatの特徴は、名詞的でない語にかかっていること。問4の選択肢の文を眺めてみると、BからEのthatはみな名詞的な語にかかっている。Aのみが名詞的でない語にかかっている。したがって答えはA。各選択肢の文の意味は次のとおり: A. あのね、それってほんとはそれほどおもしろくはないんですよ。
B. このカメラはあのカメラよりはるかによい。
C. あの1万円、いつ返すつもりなの?
D. ところで、きみの例の具合の悪い足はどう?
E. なんで彼は生涯あんなふうに振る舞ったのだろうか。
問3に戻ると、問われている文の前半は、The more common the topic(話題が共通であればあるほど)の言い換えであることと、選択肢が前置詞であることから、「話し合うことが共通にあれば」の「あれば」の意味にあたるものがふさわしいと考えられる。したがってwithout(〜がなければ)の反対の、withがよい。このthe+<比較級>…, the+<比較級>〜の構文では、The sooner, the better.(早ければ早いほどよい)のように、動詞がなくなることがある。その現象が前半に起こっており、The more common the topic (is)のようにisがなくなっていることにも注意しておこう。
問5 第2パラグラフの先頭の文がトピックセンテンスで、文章全体の話題を示している。会話を成立させ、会話を続くようにさせる会話での第1球が、その話題である。したがってEが最もよい。
コラム 英文を読み解くカギとしての接続詞(1)
英文を読むときには、接続詞に注意するとよい。特に「対比」や「逆接」の接続詞や、接続詞的な副詞には注意しよう。howeverは副詞だが、前に言ったことと逆のことを導く、接続詞的な働きを持っている。問2で問われているotherwiseも、接続詞的な副詞。otherwiseは、直前の内容を受けて、「そうでなければ....」というように後につなげていく働きをする。